今 井 歸 一 (いまい きいち)
明治45年4月6日生 平成17年9月4日没(享年93才)
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- 経 歴 -
昭和5年3月
  駒込中学校卒業
昭和9年3月
  混凝土専修学校(現・浅野工学専門学校)卒業
昭和9年4月1日
  朝鮮総督府鉄道局に奉職
昭和14年6月30日
  任朝鮮総督府鉄道局技師
昭和18年12月1日
  朝鮮総督府交通局官制、技術研究所勤務
昭和21年5月31日
  勅令により自然退官
昭和22年5月20日
  運輸省鉄道技術研究所嘱託
昭和22年10月1日
  運輸技官に任命、第7部研究室勤務
昭和24年6月1日
  法第105号により日本国有鉄道職員となる 
昭和24年7月4日
  願により職員を免ずる
昭和26年12月3日
  株式会社丸東製作所を創業し、初代社長となる
昭和28年9月
  日本初の生コンクリート中の空気量測定器『マルトーエアメータ』の開発
昭和30年7月
  日本初のリーレ型材料試験機の開発
昭和37年4月
  試験機工業会(現・日本試験機工業会)理事
昭和39年4月
  (社)東京都江東区工場連盟評議員
昭和57年6月7日
  計量関係功労者として、「通商産業大臣賞」受賞
昭和62年4月29日
  産業振興功労者として、「勲五等瑞宝章」受章


- 歩 み -
戦前、今井帰一は、朝鮮総督府交通局技術研究所において、鉄道建設工事用セメントの品質向上、建設工事進捗のためコンクリート寒中施行法の開発および機関車燃料用代替豆炭(瀝青質ピッチで無煙炭を粘結固化した燃料)の開発に尽力しました。

戦後、日本に引き揚げてきてから、一時、運輸省鉄道技術研究所第7部に在職しましたが、試験機器を使用する立場で感じた、「もっと使い易い試験機器が欲しい」という思いから、自身の経験と知識を生かし、試験機器を製造することで日本の産業界発展に寄与したいと考え、昭和26年12月、株式会社丸東製作所を創業しました。

創業してからは、主に材料試験機、計量器を製造。とりわけ建設向け非金属材料試験機の製造販売に力を注ぎました。当時、工業先進国である欧米諸国からは資料文献を入手し、国内では大学等の有識者の協力を得て、さらには自身の建設向け試験器に対する豊富な経験と知識を駆使し、高度なコンクリート試験機および土質試験機の製作、その試験方法を確立しました。

使用する立場になって試験機器を造ることを信条とし、「顧客の良き相談相手」を経営理念として経営を推し進め、日本では数少ない建設向け試験機の専門メーカーとして、お客様のニーズに応え、改良、開発、品質向上、性能向上を常としていました。


- 技術開発① コンクリート試験機 -
yi10062902①日本初のリーレ型材料試験機の開発
コンクリートの圧縮・曲げ強度試験は、従来アムスラー型材料試験機が多用されていましたが、アムスラー型は荷重秤量変換が4段階であったため、低強度の測定に精密な計測が困難であり、さらに、変換の都度、荷重分銅と表示面盤を別々に手動により操作しなければならない不便さを持つ機械構造でした。
今井帰一は、昭和30年7月、日本で初めて荷重秤量変換を5段階として、荷重分銅と表示面盤をワンタッチで同時変換できる機械構造のリーレ型を開発し、低強度の精密測定を可能にし、機能を省力高度化したことにより、コンクリートの精密な試験研究に大きく貢献しました。


②日本初の生コンクリート中の空気量測定器の開発
生コンクリートの強度は、同一条件下で混練りした場合、水とセメントの混合重量比で決まるとされています。すなわち、水量が多ければ強度は低下し、水量が少なければ強度は上昇する反面、施工が困難となるため、この解決に流動化促進の混和剤が使用されます。
今井帰一は、この混和剤の使用量を決めるため、生コンクリート中に残存する空気量を測定することが重要であるという点に着目し、昭和28年9月、日本で初めて、生コンクリート中の空気量を測定する『マルトーエアメータ』を開発しました。この結果、強度の増大による生コンクリート業界の発展に寄与しました。


③コンクリート透水試験機の開発
ダム工事に使用されるコンクリートの品質検査に透水試験があります。コンクリート透水試験機で一番難しいとされてきた点は、高水圧下で透水量を計測したいとき、透水した場合当然水圧が低下するため、この低下した水圧を瞬時に一定圧に復帰させなくてはならないということでした。
今井帰一は、昭和28年6月、分銅載荷式自動定荷重発生装置を開発したことにより、常に一定圧が保たれ、コンクリート透水試験が満足できるようになり、日本のダム、トンネル工事用コンクリートの設計および安全に寄与しました。


- 技術開発② 土質試験機 -
yi10062903①自動突き固め装置の開発
土質試験において、試験用供試体の含水比が最も重要な問題であり、この供試体は日本工業規格の作成法に基づき突き固め法により迅速に作成しなければなりません。従来、人力によって行っていたものは、電動化はされたものの、中央部の突き固めは足踏み操作により駆動させていました。
今井帰一は、昭和40年2月、ゼネバ機構を採用し、自動的に中央突きができる『自動突き固め装置』を開発しました。


②圧密試験の省力化
土木施工での土の密度、すなわち圧縮力と沈下量は重大な問題であり、この試験に圧密試験があります。この試験は、測定時間の間隔が6秒から24時間までと拘束時間が長く、さらに荷重分銅の載荷、除荷を繰り返し、7日間継続して行い、その間試験員はつきっきりで操作するという大変な試験でした。
今井帰一は、昭和52年10月、この長時間にわたる拘束と煩わしさを解消した『コンピュータ制御および自動収録装置付全自動圧密試験装置』を開発しました。画期的な試験の省力化に尽力しました。


③コーンペネトロメータの開発
地上に構造物・建造物を施行する場合、地盤の貫入抵抗値(支持力)が最も大きな関心事です。ただ、大がかりなボーリング方法で調査測定できない、道路、一般住宅、軽荷重小規模工事の場合には測定方法が確立されていませんでした。
今井帰一は、昭和29年5月、『コーンペネトロメータ』を開発しました。現在でも不可欠な計測試験器として、広く使用されています。


- 技術開発③ 力計(環状ばね型力計) -
計量法が、昭和27年3月に施行された時、材料試験機も計量器として指定されることになり、国家検定業務に必要な高精度の力量検定器力計の開発の必要性が生じ、材料試験機の精度向上と検定業務の遂行に対応するため、昭和28年9月、格段の進歩をもたらした高性能・高精度の力量検定器力計を開発しました。

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マルトー・エアメータ